名優中年おやじ

三段腹です。
家族から鏡モチと呼ばれています。
家族と言っても自分と年老いた母だけです。

「おまえは本当にみっともない体してまぁ。ちったあ痩せんか」
といっても母は７０。俺は４０。もうとっくに中年太りでいいはずなのに、母は俺の事をまだ子供だと思っている。

「アイスを食べるのを止めて校庭を三周しなさい」
「やっぱりだ。小学生と間違えている」
母は認知症になってしまったのか？　テストをすることにした。

「おふくろ。バラ・タヌキ・パンツ・三輪車。言ってみて」
「そんな意味のないこと言えるか」

また認知症テストを失敗してしまった。さあ計算ドリルをやらないとまた怒られてしまう。俺は算数ドリルをやるふりをした。

母は腕組みをして睨みつけている。まったくすね毛が生えて頭の薄い小学生もないもんだ。でも仕方ないので今日も一日小学生を演じきった。