強制筋トレスーツ

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私は至る所にバネが仕込まれた「強制筋トレスーツ」を購入した。
これがあれば普通に生活をしているだけでマッチョなボディを手に入れられるはずだ。

私は仕事の営業先へやって来た。
「あなたの名刺を頂けますか」
さっそくハードな要求がきたぞ。
「少々お待ちください…」
と言って、私は大きく息を吸い込んだ。
ほんの少しでも右腕を持ち上げようとすると、こめかみや二の腕に血管が浮かび上がる。
私はアゴが砕けそうなほど食いしばった。
内ポケットに手を伸ばすと、背骨がギシギシと軋み、歯の隙間から荒い呼吸の風音が鳴った。
そして、
「んあ!」
哀切な息が熱く漏れる。
痛みを超越した何かが頭の中でスパークした。
顔面が紅潮し、目の端から涙がつーっと伝った。
私は膝から崩れ落ちる。
そして震える手で一枚の名刺を差し出した。
<全身全霊でお力になります!>
「ここまで言葉通りの人は初めて見ましたよ」
と言われた。
その他
公開:21/09/29 14:51

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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