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「これが新発明の『タイムトラベル用・ウラシマ乳液』ですか」
押上博士の研究室で、助手の妖子さんは目を丸くする。
「そう。これを毎日顔につければ、日に日に若くなる」
「本当ですか」
「うむ。乳液の成分で細胞を次々と再生させ、次第に増殖させる」
「はい」
「それは、自分の元の細胞の形をなぞる」
妖子さんは首を傾げた。
「それがどうしてタイムトラベルなんですか」
「それを使い続ければ、例えば実年齢55歳で見た目は35歳。35歳の細胞は、その当時の感性を呼び覚ましてくれる。その気持ちや感覚で、20年後の世の中を見られるのだ。それは新鮮なタイムトラベルじゃよ」
妖子さんは言った。「先生、それはアンチエイジング用にも使えますね」
「うむ。しかし」
「しかし?」
「薬の使用を止めた時に、大きなリバウンドがある。一気にドンとじゃ」
妖子さんは納得した。
「それで名前が『ウラシマ乳液』なんですねぇ」
押上博士の研究室で、助手の妖子さんは目を丸くする。
「そう。これを毎日顔につければ、日に日に若くなる」
「本当ですか」
「うむ。乳液の成分で細胞を次々と再生させ、次第に増殖させる」
「はい」
「それは、自分の元の細胞の形をなぞる」
妖子さんは首を傾げた。
「それがどうしてタイムトラベルなんですか」
「それを使い続ければ、例えば実年齢55歳で見た目は35歳。35歳の細胞は、その当時の感性を呼び覚ましてくれる。その気持ちや感覚で、20年後の世の中を見られるのだ。それは新鮮なタイムトラベルじゃよ」
妖子さんは言った。「先生、それはアンチエイジング用にも使えますね」
「うむ。しかし」
「しかし?」
「薬の使用を止めた時に、大きなリバウンドがある。一気にドンとじゃ」
妖子さんは納得した。
「それで名前が『ウラシマ乳液』なんですねぇ」
SF
公開:21/09/26 18:16
タイム・トラベル
雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。
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