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「…寝てばかりも辛いから。今日は愉快なのをお願い」
楓は苦しそうに上半身を起こした。
「じゃ楓様、こんな話は」
毎日伊織は楓の元を訪れ、話をするのが日課になっていた。
孤児の伊織を師匠…楓の父は親代わりとなり面倒を見てくれた。
伊織の3つ歳上の楓は昔から病弱で今はずっと床に伏している。
「…可笑しい。私もいつか外を出歩きたいわ」
「すぐ元気になるよ」伊織は胸を締め付けられた。
帰り道。
日毎に楓が弱っていくのが分かった。
最近は話の殆どが作り話になっていた。
でも話すのをやめたら楓が何処か遠くに行ってしまう気がした。
不意に肩がぶつかる。
「この糞がきゃぁ、偉そうに歩きやがって」
運悪くガラの悪い野武士だった。やり過ごそうと頭を下げ…
『こりゃとっておきの話になるぞ』
伊織は腰に刺した木刀に手を掛ける。
野武士がニヤけながら真剣に手を掛けた。
気が付くと伊織は霧煙る橋の袂に立っていた。
楓は苦しそうに上半身を起こした。
「じゃ楓様、こんな話は」
毎日伊織は楓の元を訪れ、話をするのが日課になっていた。
孤児の伊織を師匠…楓の父は親代わりとなり面倒を見てくれた。
伊織の3つ歳上の楓は昔から病弱で今はずっと床に伏している。
「…可笑しい。私もいつか外を出歩きたいわ」
「すぐ元気になるよ」伊織は胸を締め付けられた。
帰り道。
日毎に楓が弱っていくのが分かった。
最近は話の殆どが作り話になっていた。
でも話すのをやめたら楓が何処か遠くに行ってしまう気がした。
不意に肩がぶつかる。
「この糞がきゃぁ、偉そうに歩きやがって」
運悪くガラの悪い野武士だった。やり過ごそうと頭を下げ…
『こりゃとっておきの話になるぞ』
伊織は腰に刺した木刀に手を掛ける。
野武士がニヤけながら真剣に手を掛けた。
気が付くと伊織は霧煙る橋の袂に立っていた。
その他
公開:21/09/26 12:31
まずは自分が楽しむこと。
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