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楓は橋を渡りきると、橋の袂に見覚えのある横顔を見つける。
「伊織!」
少年は顔をあげ、バツが悪そうに笑う。
「へへ。歩ける程元気になったんですね。よかった」
腰にさす刀を自慢気に擦りながら
「元服は来年だけど、特別に授かったんです」と誇らしく言った。
楓は涙を抑えきれない。
「あんた、自分が何をしたか分かっているの?本当に馬鹿だよ」
「楓様…後生です、泣かないでください。俺こうして楓様を迎えられて嬉しいんです」
楓は、ああとため息と嗚咽の間を取るように哀しみを出しきった。
「そう、後生なんだよ。あんた自分がいる場所分かってないね」
「へへ。気がついたらここに立ってたんです。正直覚えてなくて」
「…まぁ終わったことは仕方ない。一緒に行こうか」
不意に組まれた腕に伊織は背筋を伸ばす。
「今日は愉快なのをお願いするわ」
「と、とっておきのがありますよ!」
霧煙る常世に寄り添う二人の笑い声が響く。
「伊織!」
少年は顔をあげ、バツが悪そうに笑う。
「へへ。歩ける程元気になったんですね。よかった」
腰にさす刀を自慢気に擦りながら
「元服は来年だけど、特別に授かったんです」と誇らしく言った。
楓は涙を抑えきれない。
「あんた、自分が何をしたか分かっているの?本当に馬鹿だよ」
「楓様…後生です、泣かないでください。俺こうして楓様を迎えられて嬉しいんです」
楓は、ああとため息と嗚咽の間を取るように哀しみを出しきった。
「そう、後生なんだよ。あんた自分がいる場所分かってないね」
「へへ。気がついたらここに立ってたんです。正直覚えてなくて」
「…まぁ終わったことは仕方ない。一緒に行こうか」
不意に組まれた腕に伊織は背筋を伸ばす。
「今日は愉快なのをお願いするわ」
「と、とっておきのがありますよ!」
霧煙る常世に寄り添う二人の笑い声が響く。
その他
公開:21/09/26 09:28
更新:21/09/26 12:35
更新:21/09/26 12:35
まずは自分が楽しむこと。
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