救済センター

2
2

男は、電話番号の数字をゆっくりとスマホに打ち込んだ。

「はい。救済センターです」
「今の状況から救ってくれると聞きました!本当ですか?」
「はい。可能です」
「職場の上司が酷い奴でもう疲れました。最近では自殺も考えていました」
「それはお困りのようですね。ご依頼承りました。料金は今から指定する銀行口座に振り込んでください。振込完了後、一定のお時間を頂き、救済させて頂きます」

男は銀行口座に金を振りこんだ。しかしそれから何も起きない。やっぱり騙されたかと思ったら一カ月後、上司は末期癌で余命一カ月と診断された。最期の時を家族と過ごす為、退職していった。

「はい。救済完了っと」

私には霊感がある。死期が近い人が分かる。だから死ぬ人が邪魔だと思う人を探して、救済センターと名乗り小銭を稼いでいる。ポストに救済センターの電話番号が入った広告を入れるだけの簡単なお仕事さ。
公開:21/09/25 11:55
更新:21/09/25 12:00

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容