ベータとオメガの決闘

僕の左脳にいるベータと右脳にいるオメガは仲が悪い。
いつも、夢の中でこの両雄は決闘しているが、勝負がつかない所で目が覚める。
ある日の夢の中で、オメガは決闘前に罠を仕掛けた。
決闘場の中央を爆破させて大きな断崖を作った。
これでは、両雄はお互い攻められない。
結局、勝負がつかずに目が覚めた。
僕は部屋を出るためドアを開けようとするが、いつまでたっても出られない。
右手はドアを開けようとしている。
左手は右手を掴んで開かないようにしている。
そう、僕の脳はさっきの夢の中の爆破で左右に分断してしまったのだ。
左右の連絡が絶たれてしまったのだ。
僕はこの部屋にまんまと閉じ込められてしまった。
しかし、オメガのこの罠も失敗だった。
このドアを開ける勝負も決着はつかないのである。
つまり、自分は1人ではなく2人いるのである。
オメガが勝負していたベータは、実は無意識の自分であったのだ。