最高のおもてなし

学校に行きたくない…何となくそう思った私は仮病を使って学校を休んだ。
「大丈夫？」と両親が心配する。「今日、仕事休んで看病しようか？」と聞かれたので丁重に断った。家にいられちゃスマホをいじれない。
私はその日、だらだらと１日中過ごした。
夕方、クラスメイトがお見舞いにやってきた。その手にはフルーツの盛り合わせ。アイスもあるの！？至れり尽くせりとはまさにこの事だ。
晩御飯だって食べたいものを作ってくれた。こんなにも好待遇ならもう少し仮病続けようかな？
翌日も翌々日も私は具合が悪いフリをして学校を休んだ。仮病の私に皆が優しくしてくれる。欲しいものを何でも買ってきてくれる。最高のおもてなしを受け続ける。
そんな私をこっそり伺い見る者がいた。幼い弟だ。何か言いたい事でもあるの？
こくん、と弟は頷き口を開く。
「何でこの部屋、お札がいっぱい貼ってあるの？あと、お姉ちゃんの後ろにいるその人、誰？」