踏切の向こう側

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踏切を待っていると、なんだか別の世界に迷い込んでしまうような……。
そんな気がする。今日も私は、学校帰りの夕方、踏切が鳴り終わるのを待っている。踏切の向こう側を見る。だが今日は、いつもと様子が違った。

「えっ……あれって……わ、私?」

踏切の向こう側に立っていたのは、私だった。そして私の方を真っ直ぐ見つめている。踏切の向こう側の私と目が合った。踏切の向こう側の私の瞳の色は、夕焼けよりも赤い緋色だった。
電車が通り過ぎていく。電車で踏切の向こう側が見えなくなった。電車が通り過ぎると、踏切の向こう側の私はいなくなっていた。

「時が来たの。あなたの力が必要。私と来て」

後ろから声がした。振り返ると緋色の瞳の私が立っていた。

「どこへ?」
「異世界へ」

気が付けば私は、知らない土地に立っていた。私は、私に異世界へ召喚された。この世界の私を探す私の旅が始まった。緋色の瞳を持つ私を。
ファンタジー
公開:21/09/21 19:19

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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