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夜、ベッドに横になりながら、天井のシーリングライトを見る。中には幾つかの小さな影。
私は白い蛾を何匹かライトの中で飼っているのだ。
白いのに、シーリングライトの中の影は黒いから不思議だ。

エサは与えない。だから、厳密には飼っているわけではないかもしれない。
何日か経つと蛾は動かなくなる。そのたびに新しい蛾を調達して放り込む。

積もった蛾の死骸でシーリングライトがいっぱいになったら、ライトのカサを取り外す。
それを抱えて窓のそばに行き、月光の元で解き放つ。
2Fの窓からばら撒かれた白い死骸は、光を受けて雪のように下の道路に落ちていく。

いつかあれにダイブして、赤く染め上げるのが私の夢なのだ。
だけどまだ今は落ちる雪を見ていたい。
さあ、またライトに死骸(ゆき)を積み上げよう。
ホラー
公開:21/09/21 16:36

短太郎(たんたろう)

徒然と書いてゆく所存です。
3日に1話ぐらいの投稿ペース目指して頑張ろうと思っています。
文章練習兼ねていますので、厳しいお言葉から優しい褒め言葉まで、反応いただけると嬉しいです。

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