ギターは感情で弾く

僕のギターは、まるで歌を歌っているようだと言われた。
時に囁くように、時に叫ぶように。怒りを表し、悲しみを表し、やるせなさを表す。

引きこもった数年間、手元にあったギターを弾くしかすることが無かった。僕は、口から気持ちを伝えるより、ギターを通じて気持ちを発していたのだ。
悲しい時も、嬉しい時も、寂しい時も。僕は自分の気持ちをギターに乗せて、ただ弾くしかなかった。聞いてくれる人も居なかった。

だから、初めてセッションした時は震えた。
引きこもっても、友達と呼べる人がいてくれた事は幸いだった。
僕のギターが。
僕の気持ちが。
僕の音が。
ドラムによって拍動し、ベースによって血が巡り、ボーカルによって躍動している。
曲として形を成している。
みんなで奏で、伝えている。
自然と、涙が出た。

あぁ、僕はこの為に、ギターを弾いてきたんだって。
僕は音楽が好きなんだって。

…鰹節？
好きだけど？