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僕は今までに父親の涙を見た事が無い。
小さい時から、どちらかというと恐い存在だった。
いつも、祖父母に“遠慮”している感があった。
僕の生まれ育った家は何だか複雑だ。
祖父とは血の繋がりがあるが、祖母とは無い。
その祖父母に子が無く、母親が養女として来た。
母親の実父は祖父の兄である。
そこに父親が婿養子でやって来た。
昔はよくあった事のようだ。
姓は母親の姓だ。
ここまでは、まあ、いい。
ただ、父親と祖父母が非常に仲が悪かった。
理由はわからない。
僕が高校2年生の時に祖父母が相次いで他界した。
祖母の葬式の時に、初めて父親の涙を見た。
そこには悲しみというよりは、何か呪縛から解き放たれた柔らかい表情があった。
(父親のこの柔和な顔は何だろう。)
不思議な思いだった。
父親の背中が小さく見えた。
その30年後の僕の心の中では
(父さん、お疲れ様でした。)と言っていた。
小さい時から、どちらかというと恐い存在だった。
いつも、祖父母に“遠慮”している感があった。
僕の生まれ育った家は何だか複雑だ。
祖父とは血の繋がりがあるが、祖母とは無い。
その祖父母に子が無く、母親が養女として来た。
母親の実父は祖父の兄である。
そこに父親が婿養子でやって来た。
昔はよくあった事のようだ。
姓は母親の姓だ。
ここまでは、まあ、いい。
ただ、父親と祖父母が非常に仲が悪かった。
理由はわからない。
僕が高校2年生の時に祖父母が相次いで他界した。
祖母の葬式の時に、初めて父親の涙を見た。
そこには悲しみというよりは、何か呪縛から解き放たれた柔らかい表情があった。
(父親のこの柔和な顔は何だろう。)
不思議な思いだった。
父親の背中が小さく見えた。
その30年後の僕の心の中では
(父さん、お疲れ様でした。)と言っていた。
その他
公開:21/09/22 07:39
産婦人科専門医/指導医
@sanadakuma
tama-himawari3w.com
身体は日々の食事で出来ている。
妊婦さんにも食事の重要性について情報提供しています。
ダイエット中の方々にも食事・睡眠・運動の重要性について情報発信しています。
自身が「愛着障害」であることに気付き、もう一人の自分と上手に共生しています。
自分が、自分の『安全基地』になることが生きていくための拠り所なのかもしれない。
科学的な視点からの表現も交えて、ショートショートストーリーを作っています。
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