太時計

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 何から何まで太い時計。そう、今あなたの目の前にある時計こそが、その太時計。
 いやぁー、ほんといいですよ、太時計。全然正確な時間は分からんし、動いてんのかどうかも分からんけど、ほんまに、ゆーっくり、太い短針、長針動いてんねやって気付くと、もう、ダメ。太時計の虜。約束の時間なんてどうでもいいわ、それで失敗したって、マイペンライ、マイペンライ。
 何よりも太時計のこの見た目、めっちゃ可愛いやん。癒されるわぁ、何でも許せる、許せなかった自分を懐かしいと思える。それというのも、太時計の肝っ玉の太さ故。
 と、ふと、そんな僕を見つめる皆の目線が集まりぶっとい針となり、ぶっとい声を腹の底から出して、
「お世話になりました」って。
 太いなぁ、何から何まで太い時計。そう、今あなたの目の前…
その他
公開:21/09/19 21:32

忽忽

田丸氏の「たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座」を読み、その創作方法の斬新さ、面白さに驚き、超ショートショートを創ってみたところ、本当にできてしまい、驚愕してしまった結果、こちらに投稿させていただこうと思った次第です。よろしくお願いいたします。

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