最高のおもてなし

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お盆に天国から飼い主の元へと里帰りした。よしよし。主は相変わらず猫を愛しているようだ。
「おや?タマさん、お久しぶりです」老猫が霊魂の私に声をかけてきた。
ミケ、久しぶり。今年もまた頼めるか?
「はい。どうぞお使い下さい」ミケは私に体を貸してくれた。ふむ…年老いてはいるが手入れの行き届いた良い体だ。
私はその足で主の所へと行く。膝に座り、ゴロゴロと喉を鳴らすと主は頬を緩ませた。
『ミケ?どうしたんだ?今日はえらく甘えるじゃないか?あっ、おやつが欲しいのか?…違う。遊んでほしいのか?…違う。撫でて欲しいのか?…そうか!じゃ、思う存分撫でてやるからな』
主の優しい手が喉を、背中を優しく撫でる。ああ…なんて気持ちがいいんだろう…
おやつやおもちゃもいいが、結局のところ猫にとっては撫でられることが最高のおもてなしなんだ。
ありがとう、ミケ、主様。
私も天国で君達をおもてなしする準備をしておくよ。
ファンタジー
公開:21/09/20 19:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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