観覧車

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 やっとの思いで取り付けた遊園地デートも、終わりの時間が近づいている。そもそもデートだと思ってるのはわたしだけだったかもしれない。
 「最後に観覧車に乗りたい。」というわたしの提案に快く頷いたあなたと、赤い屋根の観覧車に乗り込む。
 「また一緒に来れたらいいな。」とつぶやいてみる。こんな日はもう二度と来ないと分かっているけれど。夕陽に照らされたあなたは、「ほんとだね。」と笑った。
 地面が段々と近づいてくる。誘導係のお姉さんが笑顔で手を振っている。「楽しかったね。」と言いながら腰を浮かせるあなた。
 ああ、お願いだから、この観覧車を止めて。
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公開:21/09/20 17:10

きりん

初心者です。
よろしくお願いします!

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