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組織のために生きるなんて大それたことは考えちゃいないが、野良犬みたいな人生を変えてくれたアニキには感謝している。

大規模な組同士の抗争で命を散らす形になったとしても
アニキの役に立てるのなら、後悔はなかった。

残響、火薬の匂い、吠えるようにこだまする組員の断末魔。

地獄と呼ぶにふさわしい惨状。燃え盛る炎の先にアニキの背が見える。

ーー目が覚めるとそこは手術室。

「ある方から依頼を受けました。あなたの人生はここで終わりです。」

医師だろうか冷たい表情で男は言う。

アニキは?抗争は?ここは…?
答えはなく意識が徐々に遠のく。



気づけば暗い部屋にいた。妙な倦怠感と顔にこわばりを感じ鏡を見て驚愕する。

「なんだ、この顔…」

鏡の中に見知らぬ顔が不気味な笑みを浮かべていた。
状況が飲み込めず、廊下へ出る。

「…田中さん?」
見知らぬ青年が幽霊でも見た顔でこちらを見ている。
ミステリー・推理
公開:21/09/18 14:07

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

新シリーズ「人喰い病院」はじまりました。

荷物
破顔
秘密
長老
抗争
皇帝
報道

マイペースに描いていきたいです!

SSG1周年!

Twitterアカウント(告知&問い合わせ)
https://twitter.com/Karatsu_a

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