台風の目

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台風が来る、丁度収穫時だったので人々は困っていた。外に出て空を見上げていると、風雨が一段と強くなって来たので慌てて家に入り、戸締まりをしていた。その時窓ガラスをトントンと叩く音がする。
よく見れば鳥達の嘴だ、「私達は南の方へ飛び立ちたかったのですが、台風に阻まれ進む事が出来ません。仲間を部屋の中に入れて頂けないでしょうか」と頼んだ。どうぞと窓ガラスを開けると何と30羽位が一気に飛び込んで来た。

「ああ助かりました、このまま飛んでいたら皆が大怪我をするとこでした」リーダーが何度も礼を言いながら頭を下げた。
暫くすると台風が丁度我が家の真上に来たらしく、静かになった。
すると「私達は全員で台風の目を突っつきに行きます、そして目が壊れた時に南に飛んでいけます」と言い、お礼と共に一斉に飛び立ち空に消えて行った。

やがて風も弱まり雨も止み、作物にも大きな影響が出ずに収穫出来そうだと喜んだ。
ファンタジー
公開:21/09/18 12:48

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