コインランドリー

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雨降りしきる夜の公園。俺と親友はずぶ濡れになりながら掴み合っていた。
「何で引き留めなかった!もうあいつに、里菜に会えないってのかよ!」
叫びながら親友の肩を揺らす。
「そんなこと知るかよ!知ってたら妹にでも頼んで引き留めたさ」
「いいわけするな!俺が外国にいた1ヶ月。どんだけ里菜を待ち焦がれたか。そしてようやく会えると帰ってきたらこれだ!お前が引き留めなかったら里菜はいなくなった!」
俺は親友の頬にパンチを食らわした。親友もカッとなり俺に反撃。その一撃が効いた俺は後ろに倒れ、水溜まりに沈んだ。
「馬鹿馬鹿しい俺は帰るぜ」
親友は雨夜の公園を後にした。
俺は家に戻ると泥だらけの服を洗いに近くのコインランドリーへ向かった。
そこで奇跡が起きた。里菜が、里菜がそこに待っていてくれたのだ。
俺は洗濯している間、夢中で里菜の出ている先月の月刊誌の少女漫画を読んだ。
素晴らしい最終回で俺は涙した。
青春
公開:21/09/19 08:22

セイロンティー( 鹿児島 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

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