月の砂

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中秋の名月、金持ちの友人が邸宅の広大な庭で、お月見をするというので参加した。
「よく来てくれたね。先日まで月旅行に出かけていて、お土産を買ってきたよ。これは『月の砂時計』といってね、月の満ち欠けと連動していて月時間を楽しめる。
庭に設置している、あのソーラーパネルのようなものは『ルナーパネル』といって、今宵のような満月だと、効率よく月の光を吸収し、電気に変換して発電するんだ。月の砂を原料にした素材を使っている」
すると、友人が暗い夜なのにサングラスを掛けた。
「驚いたかい。これは『ムーングラス』といって、サングラスは太陽の光を遮る眼鏡だけれど、ムーングラスは月の光を取り込んで付けていると周りが明るく見えるんだ。これも月の砂を原料にした硝子で作っている。
ムーングラスは、月に関するものなら何でもよく見える。月はクレーターの形までくっきりさ。あとね、この庭をかぐや姫と兎たちが駆け回っているよ」
ファンタジー
公開:21/09/19 07:01
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山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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