怒る社長

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社長は怒っていた。
理由はお弁当のおかずのアスパラガスの中に穂先の部分がなかったせいである。

こんな時必ず決まって生贄になるのが入社6年目の中堅にもかかわらず気の弱い木下さんだった。

「こらぁ!特に木下!」
「はは、ひぃ」
「お前は最近たるんでる。罰として空気椅子の刑だ」

可哀そうに木下さんは社長恒例のいじめ活動の一環で、空気椅子をやらされた。

脚力の弱い木下さんは、自分を鍛えるべく前の日にスクワットを200回やったのが裏目に出てしまった。膝がガクガクして今にも倒れそうだった。

「いいかワシに逆らうとああなるんだ」
(木下さんはなにも逆らっていない)とみんな心の中でつぶやいていた。

そんなことばかりしている社長にある日天罰が下った。木下さんの弟が心配して来社したのだ。身長190センチのゴリマッチョである。

社長は恐れをなしてお弁当のアスパラガスをすべて差し出し、土下座した。
その他
公開:21/09/15 21:25

三田シャケ

がんばってたくさんの作品を書きたいです!
よろしくおねがいします。
 

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