邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、邪魔、

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立ち入り禁止の屋上、柵の向こうに目を向ける。
「邪魔」
声に振り向くといじめの主犯が立っていた。そいつは私に近づくと柵を越え、迷いなく飛び降りる。
悲鳴が上がる。下を覗けばそいつの死体。開いた口が塞がらない。
「何やってる!邪魔だ!」
教師がやって来て私を突き飛ばした。倒れた私に目もくれず死体に釘付けだ。いつもそうだ。教師は助けてくれない。
私もフェンスを越える。驚く教師。
「邪魔しないで」
その一言で教師は動きを止めた。
体がふわりと浮く。もうすぐ地面だ。
目の前に死体が転がっている。その顔は笑っていた。
分かるよ。だって最後に見たあの表情。きっと私も教師と同じ間抜け面をしていたのだろう。それを思い出すと笑ってしまう。
「お邪魔するよ」
私と地面の間に割り込む姿があった。
そいつは私の顔を見て笑っていた。邪魔された…私の最後の顔は笑顔ではなく驚きの表情を浮かべる間抜け面になってしまった…
ホラー
公開:21/09/17 20:38

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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