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その小さなコーヒー店には、小さい頃母とよく行っていた。母はそこのブレンドコーヒーが好きで、よく飲んでいた。私はコーヒーのアイスキャンディをいつも頼んでいたが、今日はそのブレンドコーヒーを母と飲む。
母は先月病気で亡くなって、もういない。運ばれてきたブレンドコーヒーを見ると、コーヒーの表面にミルクが大きな輪を作っている。これは「天使の輪」と言って、大切な人が亡くなった時にしか現れないもの。お婆ちゃんが亡くなった時もお姉ちゃんが亡くなった時も、お母さんは一人でこのコーヒーを飲んでいた。
コーヒーをかけ混ぜると、ミルクが溶け込んで、さよならを言った。私は黙ってそれを飲んだ。
暗転して、世界は廻る。子どもたちは山を駆け回っている。そこにいるのは小さなお母さん。
母は先月病気で亡くなって、もういない。運ばれてきたブレンドコーヒーを見ると、コーヒーの表面にミルクが大きな輪を作っている。これは「天使の輪」と言って、大切な人が亡くなった時にしか現れないもの。お婆ちゃんが亡くなった時もお姉ちゃんが亡くなった時も、お母さんは一人でこのコーヒーを飲んでいた。
コーヒーをかけ混ぜると、ミルクが溶け込んで、さよならを言った。私は黙ってそれを飲んだ。
暗転して、世界は廻る。子どもたちは山を駆け回っている。そこにいるのは小さなお母さん。
ファンタジー
公開:21/09/17 11:07
更新:21/09/18 09:51
更新:21/09/18 09:51
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