廃線

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ここは都内の住宅街、母娘が家でくつろいでいる。
母は活力がなく不健康な顔色をしている一方、
娘は遊びざかりで体力が有り余っているようだ。

「ママー、わたしお出かけしたい」
「もう夜だわ。お出かけはまた明日にしましょうね」
「どうして夜はお外に行ってはいけないの?」
「暗くて危ないからよ」

娘は不思議そうな顔をした。

「どうして夜は暗いの?」
「た……みんな部屋の電気を消して眠るからよ」
「あ、そっかあ」

「明日はどこに行こうかしら?」
「うえのこうえん!」
「上の公園ね……わかったわ。エスカレーターが動いているといいのだけど」

ピンポーン

「お届け物です」

ガチャリ

「大江戸線町5丁目21-3の○○様ですね。はい、どうぞ」
「あら、ビタミンDのサプリね。いつも助かるわ」
ファンタジー
公開:21/09/17 20:00
更新:21/09/17 13:17

達月

オモチロイ作品を書けるようになるまで、書き続けよう

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