先輩の隠し事

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新入社員の俺は、先輩の車の助手席に乗って営業先を回っていた。ピロンッと音がした。先輩のスマホの通知音だ。チラリと横目で見ると……
「あかりちゃん」と表示されていた。

「先輩、彼女いるんですか?」
俺はニヤニヤしながら聞いた。

「いないよ。俺、彼女なんてしばらくいない」
「じゃあ、そのあかりちゃんって誰ですか?」
「えっ……まあ……それは……」

またピロンッと音が鳴った。あかりちゃんからだ。

「今夜、店で渡すわ。頼まれてた物届いたの」

とメッセージが表示された。

俺は先輩の仕事終わり、こっそり後をつけてみた。すると回りをキョロキョロ見渡した後、先輩は店に入っていった。そこは女装バーだった。

俺も店に入った。

「いらっしゃぁ~い。……って!!お前なんでここにいるんだよ!!」

先輩は女装バーの店員として働いていて副業をしていた。これが先輩の隠し事だった。
公開:21/09/14 11:43

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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