同じ場所を走る鉄道

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ある男は寄り道をしていた。
何をしたいためか。
それは、自分の故郷を見るためだ。
普段とは違う方面の電車に乗り、車窓から田園風景を
眺めて思い出に浸っていた。
「あの公園で遊んでいたよな」
「そうだよ馬鹿話で盛り上がっていたよな」
そんなたわいのない会話をしていた。
だがある時気づいた。
なんかどの駅にも停まらない。
同じ景色を何度もみている。
そう、場所だけでなく時間も子供時代から抜け出せていなかった。
大人の自分に戻れないと悟った男はパニックになって
騒いでいるのだった。
大人としてはみっともない程度に。
ファンタジー
公開:21/09/13 21:30

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