株式会社トーカイ
0
3
「ガラガラガラ、ガッシャン」
今日も隣の株式会社トーカイが崩れ落ちたらしい。
大きな音を立て、建物の破片が道路にまで飛び散るから、隣に住む身としては迷惑だ。
窓からトーカイの方を眺めると、今日も3階立てのコンクリートビルが瓦礫の山になっていた。
崩れた瓦礫は磁石のようにズリズリと動き、勝手に再生しようとしている。
明日の朝にはまた何事もなかったかのように、直っているのだろう。そして、夜にまた崩れるのだ。
ある日の夕方、私はふと思いついて、ビルの一部を壊し、そのカケラを持って近くの里山に登った。
星が瞬く山頂でしばらく待つと、カケラはブルブル震え出した。
私はカケラを握った手を上に掲げる。
体は徐々に浮き始め、家の方にゆっくり向かっていく。
その後、夜の空中散歩がこの街で流行ったことは言うまでもない。
今日も隣の株式会社トーカイが崩れ落ちたらしい。
大きな音を立て、建物の破片が道路にまで飛び散るから、隣に住む身としては迷惑だ。
窓からトーカイの方を眺めると、今日も3階立てのコンクリートビルが瓦礫の山になっていた。
崩れた瓦礫は磁石のようにズリズリと動き、勝手に再生しようとしている。
明日の朝にはまた何事もなかったかのように、直っているのだろう。そして、夜にまた崩れるのだ。
ある日の夕方、私はふと思いついて、ビルの一部を壊し、そのカケラを持って近くの里山に登った。
星が瞬く山頂でしばらく待つと、カケラはブルブル震え出した。
私はカケラを握った手を上に掲げる。
体は徐々に浮き始め、家の方にゆっくり向かっていく。
その後、夜の空中散歩がこの街で流行ったことは言うまでもない。
その他
公開:21/09/15 18:21
徒然と書いてゆく所存です。
3日に1話ぐらいの投稿ペース目指して頑張ろうと思っています。
文章練習兼ねていますので、厳しいお言葉から優しい褒め言葉まで、反応いただけると嬉しいです。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます