持ち帰り専門店

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戦場を走り回り、死体を回収していく。そんな仕事を生業としている俺達は兵士達から蛇蝎の如く嫌われている。
彼らからすれば、俺達は死者を冒とくしているように見えるだろう。その装備品を奪い、売る事で生きていると思われているだろう。
違う。俺達は死体を回収し、その亡骸を故郷に、家族の元へと持ち帰る仕事をしている。
変わり果てた姿に絶望する遺族を何人も見た。どこかで生きているかもしれないという希望を俺達は砕いていく。そう、嫌われて当然の仕事だ。
だが俺達はこの仕事を辞めようとは思わない。変わり果てた姿でも戻ってきた事を喜んでくれる遺族がいるのだから。

あれがもう何十年も昔の話だ。戦争は終わりを迎え、今は平和な世界へと進んでいる。
だが、俺達の仕事はなくならない。今は被災地で死体を回収する仕事をしている。
絶対に見つけて家族の元へと返してやるからな。
俺達の目の黒いうちは無縁仏とは無縁にしてやるぜ。
公開:21/06/03 20:39

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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