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短い草の野原の丘を歩くと一本の樹がこんもりと葉を繁らせている。ただただ青い空に鱗雲が流れる。
樹の真上の空から、すうっと降りてくる光の筋をよく見ると糸である。蜘蛛の糸はあんな感じかと眺めているとそろそろと降りてくる糸はしっかりとした凧の糸のようである。糸の先にぶら下がるのはトイレットペーパーの芯のような筒である。目の前に降りてきたので手にとる。筒の上面から糸が出ている。ああこれは糸電話かと納得して筒に耳をつける。しいんとして何も聞こえない。
筒を口にあてた。
「ボクハ…アイシテイマス…」思いつきで言った。ちょっとふざけ過ぎかな。筒を耳にあてたが、やはり何も聞こえない。手を放すと筒はぶらりと垂れてするすると昇ってゆく。雲の間に見えなくなった。
しばらくすると空が暗くなり、突然に光、雷鳴がゴロゴロっと響いた。雷鳴はそれきりで空は静かだ。降るかと待ったが降らないので丘を歩いて下っていった。
樹の真上の空から、すうっと降りてくる光の筋をよく見ると糸である。蜘蛛の糸はあんな感じかと眺めているとそろそろと降りてくる糸はしっかりとした凧の糸のようである。糸の先にぶら下がるのはトイレットペーパーの芯のような筒である。目の前に降りてきたので手にとる。筒の上面から糸が出ている。ああこれは糸電話かと納得して筒に耳をつける。しいんとして何も聞こえない。
筒を口にあてた。
「ボクハ…アイシテイマス…」思いつきで言った。ちょっとふざけ過ぎかな。筒を耳にあてたが、やはり何も聞こえない。手を放すと筒はぶらりと垂れてするすると昇ってゆく。雲の間に見えなくなった。
しばらくすると空が暗くなり、突然に光、雷鳴がゴロゴロっと響いた。雷鳴はそれきりで空は静かだ。降るかと待ったが降らないので丘を歩いて下っていった。
その他
公開:21/06/03 16:28
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
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