睡眠労働

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パジャマ姿の労働者が次々出社する。
「おやすみなさい」
挨拶を交わし自分のワークベッドに枕を置き始業に合わせ就寝する。
正午にアラームが鳴り1時間の覚醒を取る。
「俺、転職考えてるんだ」
「起床業するのか?」
「仕事で寝て家でも寝て。人生の殆ど睡眠してるのが疑問でさ」
「じゃぁ起きれる様に資格とって上にいかなきゃな」
昼覚醒が終わり再び就寝する。

睡眠部の上が実働部のフロアだ。
ここは起床資格をパスした社員が24時間実業務をこなす。
「16時間経ったので補給してきます」
給眠室へ向かい8時間睡眠に相当する「S8」を飲み干す。
「最近質落ちてるね。睡眠部起きてるんじゃないの」
「俺いつも多めに寝飲してます」彼らはぼやいた。

定時になりベッド下のボトルに溜まった睡眠エキスの量を確認する。
「全然ノルマ達成出来て無いんで残眠します」
「そうか、じゃあお先におはよう」
「おはようございます」
SF
公開:21/06/05 13:44

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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