持ち帰り専門店
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狭く薄暗い路地裏を進み、廃屋のような店のドアを開いた。
店主は俺の顔を確認するとカウンターの下からそっと黒糸の束と1枚の紙を差し出してきた。
「アイドルAの毛髪と、その証明書です」
俺は品物を確認すると札束を店主に渡す。
店主はそれを確認すると「これからもどうかご贔屓に」と恭しく頭を下げた。
この店は裏では有名な店だ。どんなものでも持ち帰る、持ち帰り専門店として名を馳せている。
この毛髪も、きっとアイドルAが利用している美容院から持ち帰ったものだろう。
まあ出所なんでどうでもいい。これが本物ならそれでいい。
そんなアイドルAが急死した。俺は急いで持ち帰り専門店へ行く。ああ…一足遅かった…
アイドルAの心臓、骨、脳、眼球、血の一滴に至るまで全て売り切れてしまっている。
落ち込む俺に店主は笑いかけた。
「お客様、アイドルAの唇を取り置きしております」
俺は迷う事なくそれを購入し、持ち帰った。
店主は俺の顔を確認するとカウンターの下からそっと黒糸の束と1枚の紙を差し出してきた。
「アイドルAの毛髪と、その証明書です」
俺は品物を確認すると札束を店主に渡す。
店主はそれを確認すると「これからもどうかご贔屓に」と恭しく頭を下げた。
この店は裏では有名な店だ。どんなものでも持ち帰る、持ち帰り専門店として名を馳せている。
この毛髪も、きっとアイドルAが利用している美容院から持ち帰ったものだろう。
まあ出所なんでどうでもいい。これが本物ならそれでいい。
そんなアイドルAが急死した。俺は急いで持ち帰り専門店へ行く。ああ…一足遅かった…
アイドルAの心臓、骨、脳、眼球、血の一滴に至るまで全て売り切れてしまっている。
落ち込む俺に店主は笑いかけた。
「お客様、アイドルAの唇を取り置きしております」
俺は迷う事なくそれを購入し、持ち帰った。
ホラー
公開:21/06/04 20:35
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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