駄暮らし

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青空は刺激が強く息が詰まる。順風満帆な人からもっと人生を楽しめよと諭されている気分になるのだ。
テレビでやってたジブリ映画の何とか爺さんの気分だ。
空がぼやけるのを待って外に出る。
全てが役割を持ち機能的に駆動している街の中を歩く。一度分解し直したら戻し忘れた小さなバネの気分になる。
無くても正常に街は動いている。そもそも部品だったかすら怪しい。
スーパーの精肉売場では商品名より値段で吟味する。
当然行き着くのは特定の部位ではなく小間切れだ。
まさに何者でもなく小間切れのような俺が小間切れを吟味する。
繋がりは皆無だがまめにスマホの画面をチェックする。まめが災いしひび割れた画面。
見栄を張る場も無く直すつもりも無い。
画面のスクショをとり「画面割れたし」と唯一の友に送信する。
「割れてるようには見えんけどなw」との返信に満足し店を後にする。
夕暮れも結局は映えるように綺麗で息が詰まる。
その他
公開:21/06/02 06:00
更新:21/06/02 00:15

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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