タイムマシンの弊害

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ある企業がタイムマシンを開発したとの報告に衝撃が走った。
ユネスコは社長を呼び出した。
「なんて事をしてくれたんだ」幹部らは頭を抱えた。
社長の鼻息は荒い。
「ご安心ください。道徳的観点から生産体制は徹底的に管理したいと…」
「そうじゃない。これから人類に課せられる試練を想像できますか?」
「悪用されぬよう特許も取得し徹底的な管理化のもと…」
「違う!ありえない可能性を実体化したのだよ!」
「それは…」
「立証できない遺産は全て…」

それから世界は奔走した。
ピラミッド班、ナスカの地上絵班、ストーンヘンジ班等、各々量産されたタイムマシンに乗り込み過去へ飛び立った。
「解明不能のオーパーツはまだか!」対策室は怒号が飛び交う。
「遂に適格者見つかりました!」長髪で髭の男性が入室した。
「あの…彼は?」事の重大さに疲弊した社長は戸惑う。「まさか…」
「そうだ」社長の胸に聖書が押し付けられる。
SF
公開:21/06/01 06:00

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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