ブルーパンダ

２０３８年。それは突然生まれた。パンダのシェンシェンとレンレンの間に生まれたのは、青いパンダだった。世界中が大騒ぎとなり、動物学者達も研究をしたが、なぜ青いのか原因は全く分からなかった。青いパンダは、青々と書いてセイセイと名付けられた。青々は、普通のパンダと変わらず、すくすく成長していった。青い事以外は、普通だった。大きくなった青々の子供を作る為、パートナーのパンダを連れてきたが、ことごとく成功しなかった。健康状態も異常がない青々は、どうして妊娠しないのか。

なぜだ？青いからか？
青々が一人ぼっちで可哀想だ。
動物園の飼育員達は、頭を抱えた。
それから１年が過ぎたある日の事。飼育員が青々に餌を与えていた時だった。

「こんな私を愛してくれてありがとう。パートナーはいなくても大丈夫だよ。飼育員の人やお客さん達がいるから、私は寂しくないよ」

青々は、人の言葉を話した。
また世界を驚かせた。