転校生

転校生のかつおくんは不思議な物を持っていた。
うちのクラスは…というか、いま学校は一年生からタブレットを持っていて、サイズの違いはあってもスペックは統一されている。

だけどかつおくんのは一味違う。

すごく厚みがある。珍しい折り畳み式で、開くと中はペラペラなシートがたくさんあった。
しかもそれは画面が変化しない！
そんなタブレット、僕は今まで生きてきて(まだ、たった9年だけど)見たことがなかった。

クラスの皆も興味津々で、彼はたちまちクラスの人気を集めた。だってそんなタブレットを持ってるなんてCoolじゃないか！ 僕らはタブレットと呼んでいたが、彼はそれを『教科書』と呼んでいた。
『書』！ ゲームや映画でしか聞いたことのない言葉でこれまたカッコいい。

かつおくんはいったいどこから来たのだろう？
だけどそんなことどうでもいい。 最高にクールな友達だということに、変わりはないのだから。