日記

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4月26日
図書館の奥の角を曲がると、狐がいた。四つ目の信号が赤になったところで、走っていった。たぶん狐だったと思う。

4月27日
神社の社に引っ越した叔父を訪ねた。
寺、小学校、家、寺、郵便局、寺、寺、家、薬局。
周りに寺が多い。店や駅が遠くて、不便そう。

4月28日
石垣の塀と塀の隙間に下り階段があった。下るほど石段が苔むして不ぞろいになる。雨が降りそうだったから、線香の匂いがしてきたところで引き返した。

4月29日
大学の帰り、裏側を見て回った。店の裏、路地裏。公園で石を裏返し、水たまりを裏返し、春を裏返した。表側がきれいで明るいほど、裏は見ていけないんだと学んだ。

4月30日
かばんに音楽プレイヤー。僕のではない。明日、誰かに聞くことにする。
今日は慣れないことで疲れたから、早く寝る。

5月1日
なんか夢見た。だるい。今日、新曲の発売日だわ。俺はプレイヤーに早速追加した。
ファンタジー
公開:21/05/29 21:16
更新:21/05/29 21:20
日記

字数を削るから、あえて残した情報から豊かに広がる世界がある気がします。
小さな話を読んでいると、日常に埋もれている何かを、ひとつ取り上げて見てる気分になります。

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