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「プロポーズが成功する酒をくれ」
入店して開口一番、そんな注文をしてくる男性客がいた。いくらなんでもそんな酒……。
「ございますよ」
バーのマスターはショットグラスを差し出す。男はそれを一気に飲み干すと、お代をテーブルに置き、店を出ていった。
「マスター、そんなお酒あるの?」
「ただのバーボンですよ」
「え? マスターも人が悪い」
「でもきっと成功しますよ」
「え……それどういうこと?」
いくら聞いてもマスターは答えてくれなかった。
翌日。
「彼、プロポーズに成功しました」
「ええ? でもどうして」
するとマスターは左手を見せてきた。薬指には昨日までにはなかった指輪。
「店が終わった後、プロポーズされたんです」
綺麗な黒髪をかきあげて彼女は言った。
「おめでとう。じゃあ俺にもそのプロポーズが成功するお酒をひとつ」
「……売り切れです」
いじわるにマスターは笑った。
入店して開口一番、そんな注文をしてくる男性客がいた。いくらなんでもそんな酒……。
「ございますよ」
バーのマスターはショットグラスを差し出す。男はそれを一気に飲み干すと、お代をテーブルに置き、店を出ていった。
「マスター、そんなお酒あるの?」
「ただのバーボンですよ」
「え? マスターも人が悪い」
「でもきっと成功しますよ」
「え……それどういうこと?」
いくら聞いてもマスターは答えてくれなかった。
翌日。
「彼、プロポーズに成功しました」
「ええ? でもどうして」
するとマスターは左手を見せてきた。薬指には昨日までにはなかった指輪。
「店が終わった後、プロポーズされたんです」
綺麗な黒髪をかきあげて彼女は言った。
「おめでとう。じゃあ俺にもそのプロポーズが成功するお酒をひとつ」
「……売り切れです」
いじわるにマスターは笑った。
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公開:21/05/31 00:36
更新:21/05/31 19:13
更新:21/05/31 19:13
Twitter:@sumiyaki09032
ショートショートは不慣れですが、頑張って書いていこうと思います。
コメント、感想いただければありがたいです。よろしくお願いいたします。
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