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町のテトラポッド屋さんに、麦わらを被った男が入ってきた。男は店内を見渡して、
「テトラポッド一つ、下さい」
「はいよ。一つでいいのかい? いまなら三つお買い上げで、一つおまけがつくけど?」
店主の笑顔に、男はうーんと腕組みをして、
「いやあ、でも軽トラに乗らないから。一つでお願いします」
「はいよ。……母ちゃん、テトラポッド一つ出たよ」
「はいはーい。じゃ、乗せるのを手伝いましょうかね」
店主の奥さんがフォークリフトを華麗に操る。
「ありがとうございます」
「毎度あり」
男の軽トラが去って行く。と、通りかかったカップルが。
「あ、テトラポッド。一つ買っていきましょうよ」
「いまなら三つお買い上げで、一つおまけがつきますよ」
「お得じゃん。どうしよっかなあ……」
セミの声が響く、暑い夏。
テトラポッド屋のシーズンは、まさにこれからである――。
「テトラポッド一つ、下さい」
「はいよ。一つでいいのかい? いまなら三つお買い上げで、一つおまけがつくけど?」
店主の笑顔に、男はうーんと腕組みをして、
「いやあ、でも軽トラに乗らないから。一つでお願いします」
「はいよ。……母ちゃん、テトラポッド一つ出たよ」
「はいはーい。じゃ、乗せるのを手伝いましょうかね」
店主の奥さんがフォークリフトを華麗に操る。
「ありがとうございます」
「毎度あり」
男の軽トラが去って行く。と、通りかかったカップルが。
「あ、テトラポッド。一つ買っていきましょうよ」
「いまなら三つお買い上げで、一つおまけがつきますよ」
「お得じゃん。どうしよっかなあ……」
セミの声が響く、暑い夏。
テトラポッド屋のシーズンは、まさにこれからである――。
ファンタジー
公開:21/05/28 09:23
更新:21/05/28 09:44
更新:21/05/28 09:44
黒澤伊織といいます。2人組で小説を書いています。ショートショートは好きで、よく書いていますので投稿していこうと思います。ちょっと皮肉の効いた話とか、ダークめの話、また逆にお笑い系の話とかを作ります。よろしくお願いします!
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