国産母さん
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僕の母さんは国産至上主義だった。
「国産っていいわねぇ。」
これが口癖である。国産以外のものは食べ物だろうが服だろうが一切手を付けなかった。母さんは日本で生まれ育ったことに誇りを持っていた。いわば究極の右翼だ。そんな母さんは他の人達から見たらやっぱり変で僕はよくからかわれた。それが嫌で僕はよく反抗した。そこで僕は言ってやった。
「母さんは一つだけ国産じゃないものを口に入れてるよ。」
「馬鹿言うな。そんなもの物心ついた時から一切口にいれてないよ。」
「空気だよ。空気。それが国産って証拠は無いだろ。」
母さんは黙ってしまった。僕はしたり顔でにやっとした。その日はそれっきりの会話だった。
次の日母さんは死んでた。窒息死だった。そこまで国産のものを愛していたのか、と僕は悔いた。後日、その遺体を僕は献体として寄付した。もちろん国産の遺体として。
「国産っていいわねぇ。」
これが口癖である。国産以外のものは食べ物だろうが服だろうが一切手を付けなかった。母さんは日本で生まれ育ったことに誇りを持っていた。いわば究極の右翼だ。そんな母さんは他の人達から見たらやっぱり変で僕はよくからかわれた。それが嫌で僕はよく反抗した。そこで僕は言ってやった。
「母さんは一つだけ国産じゃないものを口に入れてるよ。」
「馬鹿言うな。そんなもの物心ついた時から一切口にいれてないよ。」
「空気だよ。空気。それが国産って証拠は無いだろ。」
母さんは黙ってしまった。僕はしたり顔でにやっとした。その日はそれっきりの会話だった。
次の日母さんは死んでた。窒息死だった。そこまで国産のものを愛していたのか、と僕は悔いた。後日、その遺体を僕は献体として寄付した。もちろん国産の遺体として。
その他
公開:21/05/27 23:11
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