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愛犬が亡くなった。それを受け止めきれない私は毛布に包まれた遺体を前に泣き崩れた。
なんで愛犬がこんな目に…最初は悲しみに暮れていた。
愛犬に戻って来て欲しい…生き返らせる方法はないものか…次に現実逃避をするようになった。
わんっ!と元気な声がした。顔を上げるとキッチンの奥、愛犬の餌箱の近くに愛犬の影があった。
奇跡が起きたんだ!愛犬に駆け寄ろうとした私だが体が動かない。何で?すぐにでもあの子を抱きしめてあげたいのに!?
そんな私の代わりに私の影が立ち上がった。その色は黒ではなく青だった。
青の影はキッチンに向かうと愛犬の青い影を抱き上げ、そのまま玄関へと向かう。
愛犬の青い影は別れを告げる様にもう一度わんっ!と吠える。
『悲しみよ、さようなら』青い私の影がそう呟き、外に出た。
全身から力が抜ける。もう涙は出ない。枯れ果てたのだろう。
毛布に包まれた愛犬を見る。私はやっとその死を受け入れた。
公開:21/05/27 21:07

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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