早く消えて
4
3
「わたし、あなたのこと嫌いなの」
君はそう言って笑った。
僕も笑った。
「俺、お前のこと嫌いだわ」
君は笑った。
二人で笑い合うと、世界がぬくもりで包まれた気がした。
遠くに聞こえる銃撃は、今日も楽しそうに合唱する。
その音を聴きながら、僕と彼女はまた、ふふふと笑った。
彼女の顔は酒でほんのり赤らんで、とても悲しかった。
ぽってりと膨らんだ唇が弧を描くと、また口を開く。
「だから、早くいなくなってよ」
「それはお前の方だ。お前がいなくなってしまえばいい」
そしてまた、二人で笑った。
二人で笑うと、世界が愛で包まれるような気がした。
君はそう言って笑った。
僕も笑った。
「俺、お前のこと嫌いだわ」
君は笑った。
二人で笑い合うと、世界がぬくもりで包まれた気がした。
遠くに聞こえる銃撃は、今日も楽しそうに合唱する。
その音を聴きながら、僕と彼女はまた、ふふふと笑った。
彼女の顔は酒でほんのり赤らんで、とても悲しかった。
ぽってりと膨らんだ唇が弧を描くと、また口を開く。
「だから、早くいなくなってよ」
「それはお前の方だ。お前がいなくなってしまえばいい」
そしてまた、二人で笑った。
二人で笑うと、世界が愛で包まれるような気がした。
恋愛
公開:21/05/28 12:00
あったかくてせつない、もしくはせつなくてあったかいようなお話が好きです。
ログインするとコメントを投稿できます