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私は赤と青を正しく認識できない。皆が赤と呼ぶ色が青く見え、青と呼ぶ色が赤く見えてしまう。そういう障害を抱えている。
別に苦労はしていない。赤と青の色が入れ替わっているだけで生活に何ら支障はない。
青信号で止まって、赤信号で進む。それが私の日常。
そんなある日、赤信号で進んでいた私は車にはねられた。
信号無視をしたからか?いや違う。信号無視は車の方だ。
運転手の真っ赤な車はそのまま電柱にぶつかる。真っ青な炎を上げて燃え続ける。
ああ…綺麗だな…その光景に微笑んでしまう。
夕焼けがすぐ近くにあるようだ。青空に手を伸ばせば届きそうだ。
ああそうか…私は今、空にいるんだ。だって私の体は青色の液体の上に横たわっている。
痛みはない。海に浮かぶってこんな感じなのかな?赤い水溜まりが怖くて私はプールも海も入った事がない。でもこの青い水溜まりなら怖くない…
私は幸せ者だ。だって青に包まれて死ねるのだから…
公開:21/05/28 20:47

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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