銅閣

16
10

室町幕府三代将軍の足利義満が北山文化の時代に建立した金閣、同じく八代将軍の足利義政が東山文化の時代に建立した銀閣が、今も京都の観光名所となっている。
だが、銅閣は知られていない。
室町幕府最後の十五代将軍、足利義昭が織田信長によって京の都から追放され、中国地方の毛利氏の領地であった備後国(現在の広島県福山市)の鞆の浦に移った際、義昭のもとを訪ねてきた明智光秀が、信長を討ち義昭が京の都に復帰したおり京と大坂とを結ぶ要衝の地である桃山に、銅板で囲まれた堅牢な要塞のような銅閣を建立しようという計画を伝えた。
その直後、光秀は、信長を本能寺で自害させたものの、豊臣秀吉との山崎の戦いで敗れたため、銅閣の建立は実現することなく幻に終わった(現在、京都市の龍池山大雲院を別称で銅閣と呼ぶ。これには明治の商傑、大倉喜八郎が関係している)。
天下統一後、奇しくも秀吉が桃山に伏見城を築いたことは有名である。
その他
公開:21/05/23 07:06
室町幕府 足利義満 北山文化 金閣 足利義政 東山文化 銀閣 足利義昭 織田信長 明智光秀

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容