つけっ放し

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来訪者たちが、三々五々帰ったあと、家の中はシーンと静まり返った。
夜のしじまに、煌々と灯りが照らすその部屋に、たった一人、ノミオだけが残った。
彼は、目を閉じた。すると、

「ノミオ、煌々と電気、つけっ放し! 寝るときはちゃんと電気、消しなさい」
「ノミオ、また、トイレの電気、つけっ放し!! 何度言ったらわかるの?」
「ノミオ、お風呂の電気、つけっ放し!!!」

そんな声が聞こえたかに思えた。

ノミオは、膝元に置いてあった蝋燭を手にし、座っていた座布団から立ち上がった。
そして、棺に向かって、語りかけた。
「今夜だけは、つけっ放しにするよ…、いいでしょ、」
 
 
その他
公開:21/05/23 05:55

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