レストラン

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「美味い。こんなに美味いものは初めて食べた」
 男は絶賛した。
「ありがとうございます。当店は新鮮な食材をシェフが腕によりをかけて作っていますので」
 ウェイターはお礼を言う。
「この今までに食べたことのない味わいがたまらない。もっと持ってきてくれ」
 その日、男はたらふく食べた。それはもう腹が痛くなるほどに。
「いい食べっぷりですね」
 そう言いながらウェイターがデザートを持ってきた。
「これは、注文していないが」
「サービスでございます」
 にっこりと笑った。
 男は、なんていい店だと思いながらスプーンを手に取ろうとしたが、指が見あたらなかった。
「因みに、このデザートの食材はなんだ?」
「新鮮な食材です」
 ウェイターはにっこりと笑ったままだった。
 そういえば、あれだけ食べたのに腹の痛みがもうあまり感じない。
 男は腹をさすってみたが、腹はぽっかりと空いているだけだった。
ホラー
公開:21/05/23 07:00

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