見えるんです

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大学生になり、一人暮らしをする事になった俺は、マンションに引っ越した。しかしその部屋には、男が住んでいた。

「あー…ま、まさか…」

そう、俺は見えるんです。この世の者じゃない人が。あちゃ…。物件見学の時は見えなかったのにな。マジかよ。

「今度は若い男か。大学生くらい?」
「そうだよ」
「えっ!?俺が見えるの!?俺の声も聞こえるの!?」
「ああ、そうだよ。昔から霊感が強くてな」
「頼む!!俺の未練を代わりに果たしてくれないか!」

出たよ。出た出た。そういう感じね。なんかやり残したことを代わりにやってくれってんでしょ。もうそういうのありすぎて散々なんだから。

「嫌だよ。俺も暇じゃないんだよ」
「俺の代わりに弁護士として働いてくれ。弁護士になれば食いっぱぐれもなくて儲かるぞ」

その言葉に釣られ、俺は弁護士になった。司法試験は男が教えてくれるから楽勝だった。

俺は霊感弁護士になった。
公開:21/05/21 11:39

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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