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「それでは、ここから僕の旅が始まります!」
そう言って私は歩き出した。
歩きながら興味を引かれた店や人に話を聞くという形態の番組だと思っていた。
歩いているうち、前方に電車の駅が見えてきた。
「じゃあ、まずあれから乗りましょうか」
ディレクターが言う。
「乗って、どこで降りるんですか?」
「サイコロを振って上りか下りか決めて、その終点まで」
「終点カァ」
私は気楽に言ったが、番組の名前を聞いていなかったので確認した。
「『がっくり 途中乗車の旅』、です。歩いていて電車かバスに遭遇したら必ず終点まで乗って、また歩くというのを繰り返します」
「サイコロしだいで、双六みたいに、どこに連れて行かれるのかわからないじゃん?」
「そうなんです。運次第でどんどん知らないところへ連れて行かれます」
番組開始6ヶ月、私たちは家に帰れていない。私とスタッフの心の旅は今も続いている。
そう言って私は歩き出した。
歩きながら興味を引かれた店や人に話を聞くという形態の番組だと思っていた。
歩いているうち、前方に電車の駅が見えてきた。
「じゃあ、まずあれから乗りましょうか」
ディレクターが言う。
「乗って、どこで降りるんですか?」
「サイコロを振って上りか下りか決めて、その終点まで」
「終点カァ」
私は気楽に言ったが、番組の名前を聞いていなかったので確認した。
「『がっくり 途中乗車の旅』、です。歩いていて電車かバスに遭遇したら必ず終点まで乗って、また歩くというのを繰り返します」
「サイコロしだいで、双六みたいに、どこに連れて行かれるのかわからないじゃん?」
「そうなんです。運次第でどんどん知らないところへ連れて行かれます」
番組開始6ヶ月、私たちは家に帰れていない。私とスタッフの心の旅は今も続いている。
公開:21/05/20 23:02
#ショートショート
#短編小説
#ジョーク
#ぶらり
#途中乗車
読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。
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