カオス・エンド

目を覚ますと、ぼくは愛で顔を洗う。
愛のシャワーを浴びて、愛で食事をする。
そして、愛を噛みしめながら散歩をする。
この暗澹とした世界のあちこちに、愛はすみつく。
ぼくは仕事から戻ると、灯りの点いた部屋で愛の帰りを待つ。ひたすら、じっと待つ。

愛を待つぼくは夜だった。
ふと、聞き慣れた足音が近づき、扉が開く。

愛がいた。
ぼくの愛。
いつもは明るい愛なのに、きょうはちょっと疲れているみたい。
ぼくは愛をかかえて、ベッドに寝かせてあげる。
すると愛はぼくの首に手を回し、力任せに引き寄せてキスをした。キスで裸になって扇情的なパズルを完成させていく。
こうしてふたりの愛は重なり合う。

次の日、世界には昼が生まれた。