無料食堂の高額弁当

　お金が無い人でもおなかいっぱい食べてほしい。そんな思いで開業した、無料食堂があった。店長に相談すれば、無料で食事ができる場所だ。
　最初は本当にお金が無い人や子供たちが安心して食事ができる場所となっていた。中には支援するために寄付をする人たちもいた。
　しかし、当然悪いことを考える人は現れる。お金があるのに無料で食べようとしたり、ひどいときには２０００円近くする高額な弁当を数十個単位で注文し、無料で持ち帰る者もいた。

　ある日、２０００円の高額弁当３０個の注文が入った。同じ客からもう３度注文が入っている。
「店長、またあの客ですよ。こんなことされたら店が持ちません」
　店員があきれ顔で「拒否しましょう」と提案するが、店長は笑って「大丈夫」と答える。

「あの弁当には中毒になる薬を入れているから、無料をやめたとしてもあの連中は大金払ってでもうちの弁当買わざるを得なくなるから」