流れ星

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「あ、流れ星」
 娘は夜空を指さした。
 星がよく見える。
「流れ星が流れている間にお願い事をすると、そのお願い事が叶うんだぞ」
 父は優しく教えてあげる。
 娘は願い事をする為にポシェットを父に渡した。
「汚さないでね。お気に入りなんだから」
 娘は手を握り合わせる。
 星は次から次へと流れる。
「何をお願いしているの?」
 父は尋ねた。すると娘は、
「世界が平和になりますようにって」
 そう明るく答えた。直後、
 パンッ!
 父の胸から血が流れた。
「パパ!パパ!」
 父の手を引っ張り、泣き出す。
 そこへ警官がやってきた。
「そいつは指名手配犯だ」
 しかし、娘には関係なく、泣き続ける。
「世界はこれで少しだけ平和になったんだ」
 警官はさも当たり前に言う。
「パパ!パパ!」
 娘はもう動かないを父の手を引っ張っている。
 見ると、父が握り締めた娘のポシェットが赤く染まっていた。
その他
公開:21/05/20 00:00

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