クチナシの花

　ここ毎日クチナシの花が届く。
　妻が届けてもらっているようだ。
　聞くと、綺麗でしょ？と笑う。もう家中にある。
　花言葉は、私は幸せ者というらしい。
　妻は夕飯の支度中で、今日も中華の様だ。最近はずっと中華だ。
　妻はいっぱい食べるのよ、と笑う。
　太ったかな？と腹を見る。妻はそれがいいと笑顔をみせてくれる。
　私は幸せ者だ。
　夕飯を食べ終えたころ、またクチナシの花が届いた。花には紙が添えてあった。
　それは？と聞くと。診断書よ、と笑う。
　この前、医者に診てもらったっけ。最近調子が悪い。
　妻はよく笑う。
　クチナシはね。
　妻はそんな私を心配せずに話す。
　クチナシはね、天国に咲く花って言われてるの。
　どう？ここは天国みたい？
　妻は幸せそうだ。
　私はクチナシの花言葉を思い出した。私は幸せ者。
　妻は満面の笑みでーーー、
　死人にクチナシ。
　そう言っているように、見えt